2012-06-19から1日間の記事一覧

茶の本

『茶の本』岡倉天心 茶道は日常生活の俗事のなかにあって、美を崇拝するための一種の儀式である。 それは、純潔と調和、相互愛の神秘、社会秩序のロマンティシズムを人の心に植えつける。茶道の本質は「不完全なもの」を崇拝することにある。いわゆる人生と…

日本の目覚め

『日本の目覚め』岡倉天心 最近まで、西洋が日本をまともに取りあげたことは、一度もなかった。それが、おかしなことに、われわれが諸国民のあいだに地位をしめようとして成果をおさめた今日、それらの成果が、多くの西洋人の眼には、キリスト教世界にたいす…

東洋の目覚め

『東洋の目覚め』岡倉天心 アジアの兄弟姉妹よ! われわれの父祖の地は、大いなる苦難のもとにある。今や、東洋は衰退の同義語になり、その民は奴隷を意味している。たたえられているわれわれの温順さは、礼儀をよそおった異国人の卑怯なあざけりにほかなら…

親米保守派

新ゴーマニズム宣言13「砂塵に舞う大義」小林よしのりあの時、ポチはこう吠えた。■西尾幹二(評論家・電気通信大学名誉教授)「北朝鮮を決して信用しないアメリカの理性をむしろ頼みとしつつ、東北アジアからテロ国家を一掃し……という未来の方向に、自国の国…

シルク・ロード幻想

『遊牧民から見た世界史』杉山正明 <コラム>シルク・ロード幻想 ときは、十九世紀もすえにちかいころ。ドイツの地質・地理学者リヒトホーフェンは、中国大陸をあるいていた。中国の大地・物産をしらべ、本国に報告するためである。 世は、帝国主義列強による…

アジアに関する歴史研究は少年時代

『逆説のユーラシア史』杉山正明 册封体制という幻想 もうひとつは、中華王朝を中心にして、日本を含めた”周辺諸国”が「册封体制」という名のランクづけの世界に括られていたとする主張である。それをもって、「東アジア世界の国際秩序」とまでいう人もいる…

言葉への不信

『日本人の言霊思想』豊田国夫 日本人の言霊思想の現代版としては、言葉に対する信仰の果てにあらわれた病弊の問題ではなかろうか。これを結論的にいえば、人びとの永い歴史の、言葉への過信と寄りかかりが、つまりは、「言葉への不信」という現象を生みだし…

君主制

『愛国心の教科書』渡邊毅 ヨーロッパでは、王朝をなくした国々でも、王朝を追慕する心情がいまだに根強く残っているところがあります。ポーランド芸術公団総裁・ワジミール・サンデッキ氏はいいます。 「君主をもつ国々は、国民に生きる希望と安全保障にか…

思想の価値

『芥川龍之介全集8』(ちくま文庫)芥川龍之介文芸一般論 今度は技巧に縁の遠い、或文芸上の作品の持っている思想と言う問題をとって見ましょう。これも文壇ではややもすると、見当違いな非難を受け兼ねません。たとえば或作品が「人の性は善なり」と言う思想…

美学の本

『芥川龍之介全集7』(ちくま文庫)芥川龍之介芸術その他 芸術が分る分らないは、言詮を絶した所にあるのだ。水の冷暖は飲んで自知するほかはないと云う。芸術が分るのもこれと違いはない。美学の本さえ読めば批評家になれると思うのは、旅行案内さえ読めば日…

通俗小説

『芥川龍之介全集8』(ちくま文庫)文芸一般論 そこで次の問題へ移りますが、その前にちょっと話したいのは通俗小説と言う問題であります。ロマン主義の文芸も好い、自然主義の文芸も好い、では通俗小説も好いかとお尋ねになるかたも――あるいはないかも知れま…

アニミズム

『一神教の闇』安田喜憲 私は一九九〇年にアニミズム・ルネッサンスを提唱した。国際日本文化センター(以下、日文研と略)の英文ニュース・レターに、「アニミズム・ルネッサンス」というエッセイを書いた。それ以前にアニミズムについては、岩田慶治氏の『…

解説書

『人間の建設』岡潔、小林秀雄岡 ベルグソンの本はお書きになりましたか。小林 書きましたが、失敗しました。力尽きて、やめてしまった。無学を乗りきることが出来なかったからです。大体の見当はついたのですが、見当がついただけでは物は書けません。その…

失敗研究

『新逆転の発想』糸川英夫 組織工学の理論の一つに、フェイリア・スタディ(失敗研究)というのがある。 独創的なアイデアというのは、毎日考えていても、なかなか浮かんでくるものではない。しかし他人が失敗した話を聞いて、それをひっくり返すと、非常に…

アジアの憲法に学ぼう

『歴史と文化が日本をただす』呉善花、八木秀次、高森明勅アジアに学ぼう【八木】 私は逆に「アジアに学ぼう」ということを敢えて申し上げたいと思います。世界の憲法を眺めてみますと、長い自国の歴史を継承したことを確認したものの多いことが分かります。…

本居宣長

『意識と本質』井筒俊彦 およそ概念とか概念的・抽象的思惟とかいうものを極度に嫌った本居宣長は、当然のことながら、中国人のものの考え方にたいしてほとんど本能的とでも言いたいほどの憎悪の情を抱いた。彼の目に映じた中国人は「さかしらをのみ常にいひ…