2018-09-28から1日間の記事一覧

ピューリタニズムと商業階級との結びつき

『ピューリタン』大木英夫 この関連で、いわゆる「ピューリタニズムと商業階級との結びつき」の問題を考えてみよう。一般に経済史家はその結びつきを単純に前提して論を進める傾向が強いが、ここでは、その結びつきの理由を問うてみようと思う。なぜならピュ…

故郷喪失

『ピューリタン』大木英夫 人間が土着できないということは、いわゆる「故郷喪失」ということである。アングリカンは英国人のための故郷を守ろうとする。国民国家が魂の安住地となろうとする。……しかしピューリタニズムは、そのような人間存在の本質にふれ、…

人権理念の成立

『ピューリタン』大木英夫 人権理念はたしかに日本国憲法第九十七条がいうように、「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」であるが、それは決して単純に『マグナ・カルタ』や『権利請願』の線からまっすぐに発展してきたものではない。むしろこの線はブ…

外来思想

『ピューリタン』大木英夫 社会学的に言うとピューリタニズムは〈外来思想〉であった。エミグレによってもち込まれた思想、エミグレの宗教である。だから英国社会の中に樹木のように植わっている存在ではなく、社会的流動性をもつ人間、つまり知的にまた経済…

トレルチ

『ピューリタン』大木英夫 十九世紀末から二十世紀初頭に活躍したドイツの神学者・哲学者・思想史家エルンスト・トレルチは、ブルクハルト的近代史の見方に対するアンチテーゼを打ち出した。その主張を含んだ主要諸論文は、内田芳明氏の訳で出版され(『ルネ…

近代のほうが権利がなかった

『魔女と聖女』池上俊一 都市でも、中世には、女性は政治に参加したり、役人になったりすることはできなかったものの、かなりの権利をもっていた。彼女はギルドや信心会に所属したし、両親や夫の遺産を相続し、自分の財産をもち、金を貸し借りしたり契約を交…

女性運動

『魔女と聖女』池上俊一 隠修士からのバトンをうけて、俗人、なかでも女性たちに熱烈な呼びかけをし、そのわだかまる不平不満に共鳴板をみいだしたのは、異端者たちであった。そして、その異端に参加する女性たちこそ、いわば、ヨーロッパ最初の「女性運動」…