2018-10-13から1日間の記事一覧

論争の小説――モチーフについて

『人と思想 ドストエフスキー』井桁貞義 この小説、じつは極めて論争的な小説だった。言い換えれば、ドストエフスキイは処女作において、自分自身の文学的遍歴の一つの決算を提出し、同時にロシア文学のこれまでの発展に対して一つの発言を行おうとしたのだ…

現代的欺瞞の一つ

『交響する群像―『カラマーゾフ兄弟』を読む〈1〉』清水孝純 ドストエフスキーは、『作家の日記』の一八七三年の「16 現代的欺瞞の一つ」の項でこう語る。 「批評家の中のある人々は、わたしが最近の小説『悪霊』において、有名なネチャーエフ事件の骨子を利…