反ユダヤ主義の風潮

アメリカのユダヤ人』土井敏邦

 ――現在のアメリカ社会でも反ユダヤ主義の風潮はありますか。
 アメリカでは原則的には、どんな宗教、人種のグループも受け入れられることになっている。しかし新しく移住してきた人々は、まず疎外感と差別に悩まされます。とくにユダヤ人に対しては憎しみがある。この反ユダヤ主義は親や社会から教えられ、引き継がれていくものです。とりわけキリスト教の教会では伝統的に、「キリストを殺した者たち」としてユダヤ人を拒絶する空気があり、中世以来、延々と続いています。この反ユダヤ主義は愚かで非生産的な人種差別なのです。単なる偏見ではありません。(p179)