ニュルンベルク裁判の影響

ニュルンベルク・インタビュー 上』レオン・ゴールデンソーン ロバート・ジェラトリー 編

 序文 ニュルンベルク――過去からの声  ロバート・ジェラトリー

 インタビューを受けた数人とゴールデンソーン自身も、第三帝国において五〇〇万人のユダヤ人が殺害されたと言っている。彼らはどうやってこの数字を知ったのだろうか。じつのところ、これはニュルンベルク裁判で検察側が通常示した数字である。たとえば、アメリカのジャクソン検事は裁判の冒頭陳述で次のように述べている。「信頼できる筋の推測によれば、ヨーロッパのナチ支配地域で生活していた九六〇万のユダヤ人のうち、六〇パーセントが死亡した。五七〇万のユダヤ人が、かつて住んでいた国から行方不明になっており、自然死に算入できない者が四五〇万人以上にのぼる」。同じニュルンベルク裁判でも、のちになると検察側は切りのよい五〇〇万という数字を使うようになった。
 裁判中さまざまな折に、また、ジャクソン検事の論告求刑でも判決文でも、犠牲者六〇〇万人という、より大きな数字が使われていた。(p32)


 しかし、本当の意味で世論に衝撃を与えたのは、主要な戦犯を裁いた最初のニュルンベルク裁判だった。それ以前にも連合国の政府は、ユダヤ人大虐殺も含めて、第二次世界大戦中のナチの残虐行為の例を公表していたが、そうした話の多くは、第一次世界大戦中に聞かれたドイツに関する誇張されたプロパガンダと同様に、無意味だと見なされる傾向があった。それを考えると、ニュルンベルク裁判で提出された大量の証拠書類のおかげで、少なくとも犯罪が行なわれたことは充分に証明されたと言えよう。(p36)