日韓基本条約と慰安婦問題

日本共産党中韓筆坂秀世

 また、朴正煕は著書『国家・民族・私』で、次のような言葉を遺している。
 「わが五千年の歴史は、一言でいって退嬰と粗雑と沈滞の連鎖史であった」
 「(韓国社会は)姑息、怠惰、安逸、日和見主義に示される小児病的な封建社会の一つの縮図にすぎなかった」
 「わが民族史を考察してみると情けないというほかない」
 「われわれが真に一大民族の中興を期するなら、まずどんなことがあってもこの歴史を全体的に改新しなければならない。
 このあらゆる悪の倉庫のようなわが歴史はむしろ燃やしてしかるべきである」
 さらに著書『韓民族の進むべき道』で、李氏朝鮮について次の言葉を遺している。
 「四色党争、事大主義、両班の安逸な無事主義的生活態度などによって後代の子孫に悪影響を及ぼした民族的犯罪史である」「今日のわれわれの生活が辛く困難にみちているのは、さながら李朝史[引用者注:韓国史]の悪遺産そのものである」「今日の若い世代は既成世代とともに先祖たちの足跡を怨めしい眼で振返り、軽蔑と憤怒をあわせて感じるのである」
 このように、日本統治前の李氏王朝を手厳しく批判しているのである。
 両班とは、李氏王朝時代に官僚機構・支配機構を担った身分階級であり、貴族階級に相当する。四色党争とは、限られた官吏のポストをめぐって両班が大きく四つに分裂して争った対立である。
 イギリスの紀行作家イザベラ・バードは『朝鮮紀行』(講談社学術文庫)の中で、両班を厳しく批判している。要約すると以下のようである。「両班は究極に無能であり、その従者たちは金を払わず住民を脅して鶏や卵を奪っている」、「両班は公認の吸血鬼であり、ソウルには『盗む側』と『盗まれる側』の二つの身分しかない」。
 また朝鮮の官僚については、「日本の発展に興味を持つ者も少数はいたものの、多くの者は搾取や不正利得ができなくなるという私利私欲のために改革に反対していた」、「堕落しきった朝鮮の官僚制度の浄化に日本は着手したが、それは困難きわまりなかった」というようなことが書かれている。(p134)


 日韓基本条約慰安婦問題

 戦後、韓国と日本の関係を正常化するため昭和四〇年(一九六五年)六月二二日、日韓基本条約が締結、調印された。この条約によって、明治四三年(一九一〇年)に結ばれた韓国併合条約は無効であること、また韓国が朝鮮半島における唯一の合法政府であることを確認した。
 またこれに付随する協約である「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」によって、韓国は日本への請求権を放棄すること(韓国国民ももちろん含まれている)、日本は朝鮮に投資した資本および日本人の個別財産のすべてを放棄するとともに、約一一億ドルの無償資金と借款の援助を行うことに合意した。当時の韓国の国家予算は三億五千万ドルだったというから、その約四倍近い巨額な資金供与、融資だったのである。当時の日本の外貨準備額は一八億ドル程度であり、日本にとっても大きな負担を伴うものであった。
 現在、元慰安婦などから国家賠償請求などがなされている。しかし、これについては日韓基本条約の付随協約で、個別請求権の問題は、「完全かつ最終的に解決されたことを確認」しており、日本に賠償義務はない。
 そもそも韓国が日韓正常化交渉中に主張した対日債権(韓国人となった朝鮮人の日本軍人軍属、官吏の未払い給与、恩給、その他接収財産など)に対して、日本政府は「韓国側からの徴用者名簿等の資料提出を条件に個別償還を行う」と提案したが、韓国政府は「個人への補償は韓国政府が行うので日本は韓国政府へ一括して支払って欲しい」と主張したとされている。
 韓国の朴槿恵大統領は、口を開けば慰安婦問題で日本に文句をつけている。他に言うことはないのか、とほとほと呆れてしまう。慰安婦問題では、日本は、アジア女性基金をつくり、元慰安婦の方々に誠実に対応しようとしてきた。それを妨害してきたのは、日本の左翼的な人々であり、韓国の側ではないのか。韓国では、その最たるものが韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)である。
 安秉直ソウル大学名誉教授は、この韓国挺身隊問題対策協議会と三年間、慰安婦について共同調査を行ったが、慰安婦を強制動員した証拠はなく、元慰安婦とされる人たちの証言についての客観的な資料もなかったと述べている。(p137)