立憲主義と自然法論

自然法―反省と展望』水波朗 他編

 憲法自然法  栗城壽夫

 立憲主義自然法

 立憲主義は、思想内容の面から見れば、近世自然法論から出発し、近世自然法論の説いたところを継承している。近世自然法論の説いた、個人の天賦の人権の思想や国民の国政参加の思想は、今日でも、立憲主義の思想的中核をなしている。しかし、国民の国政参加による国民の権利・自由の確保を志向する運動もしくは体制としての立憲主義は、近世自然法論から出発しつつも、近世自然法論の立場を否定した。立憲主義は、近世自然法論がかかげる原理の多くを肯定したが、これらの原理がそれ自体として法的効力を有すると主張するかぎりにおいて、近世自然法論の立場を否定した。(p385)