個人主義的な憲法

立憲主義日本国憲法 第2版』高橋和之

 日本国憲法は、「個人の尊厳」を基本価値とし、すべての国民を「個人として尊重」することを宣言した。そして、その意味をもう一歩具体化して、一方で、国民が「生命、自由及び幸福追求に対する権利」(「幸福追求権」と略す)を有すること、他方で、すべての国民が等しく個人として尊重されねばならないことから、この権利が「公共の福祉」の制限に服することを明らかにしている(13条)。(p131)


 人権制限の根拠――公共の福祉
 人権は、個人の自律的生にとって不可欠の権利であるが、すべての個人に平等に保障されねばならないことから、権利の衝突を調整するに必要な限度で制約を受けることがありうるのは当然のことである。日本国憲法も、一方で、個人に対し人権の濫用を戒め「常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」(12条)と規定し、他方で、国に対し人権を「公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で」最大限に尊重すべきことを義務づけ(13条)、人権が「公共の福祉」に服することを確認している。(p110)