マルクス主義フェミニズム

『岩波講座 憲法3 ネーションと市民』杉田敦

 フェミニズム憲法  中里見博

 伝統的なマルクス経済学による資本主義批判は、女性が担う生命の維持・再生産にかかわる労働を、それが剰余価値を生産する「労働」ではないという理由から資本主義の構造分析の対象から除外し、性支配の問題を前近代の残滓ないし単なるイデオロギーの次元で捉えた。これに対抗して、一九七〇年代にマルクス主義フェミニズムは、伝統的マルクス経済学との間で「家事労働論争」を戦わせて、女性の抑圧にはイデオロギーの次元を超えた「物質的基盤」があると論じた。(p193)