ニャー太郎のブログ

休止中。2020年11月13日。

コミュニタリアニズム(共同体主義)の限界

マイケル・サンデル
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB#cite_note-2

 ドイツでは、いわゆるフランクフルト学派アメリカ亡命を果たしたユダヤ人学者・ドイツ国ユダヤ人サークル)の第2世代、とりわけハーバーマス社会学者)が、サンデルの思想に共感を寄せた。そのためドイツでは、サンデルの著作もハーバーマスによって紹介されている。


 地域社会の公共性の基盤となる思想を米国から逆輸入し、サンデルらの主導するコミュニタリアニズムに頼ったドイツでは、フランクフルト学派の企図した通り、かつてテニアスが提唱した伝統的な「民族共同体」的着想を破壊することに成功を収めた。しかし、ドイツの地域共同体からは自国の歴史・文化・伝統が失われた。そのため、価値の相対性を認めるコミュニタリアニズムの思想は、むしろ「人々の繋がり・関係性を破壊する」思想であり、「国内の政情を混乱に落としめる」ものとして警戒されている。


 ドイツの政治学者レーゼ=シェーファーは、移民が急速に増加する傾向にある現在、ハーバーマスが米国から輸入したコミュニタリアニズムが、米国的な文化多元主義の発想とジンテーゼを起こしつつあるとした上で、「共有されるべき価値基準を持たないまま様々な文化圏から多様な宗教や多元的な道徳観念が持ち込まれるならば、社会の内部に無数のゲットーが形成されてしまう。」と次のように結論している。
 「(サンデル的なコミュニタリアニズムの発想は、わが国ドイツにおいて)集団的排斥主義を帰結しかねない。これは、集団個別主義/集団至上主義的なゲットーの形成、つまり、排他的で特殊な『市民感覚市民感情』によって結ばれたゲットーの形成を促す。そのため、民主主義的な公共性そのものの崩壊をもたらしかねない。」
 "... Das Resultat wäre ein Gruppenautoritarismus, der bewirken würde, dass das demokratische Gemeinwesen zerfällt "in Kulturghettos der Kollektive, die jeweils ihren eigenen, d.h. partikularistischen 'Bürgersinn' haben."