共産主義は憎悪を基礎とした

ルーズベルト秘録(上)』産経新聞ルーズベルト秘録」取材班

 ルーズベルトの進めたニューディールは結局のところ、共産主義と相いれないものだった。ニューディール研究で知られる歴史家、アーサー・シュレシンジャーは二つの政治運動の違いについて『変革の政治』の中で次のように書いている。

 「共産主義の本質は革命である。そしてニューディールは改革運動だった。(初期ニューディーラーの)マクリーシュは共産主義は憎悪を基礎とし、ニューディールは希望に根ざしたと書いた。だが、ニューディーラーは共産主義が抱える危険性を見抜けなかった。共産党が掲げる穏健なプログラムを改革的と錯覚したが、真の狙いは組織に浸透し、最終的に共産主義を支配的にすることだった」

 ニューディーラーたちが見抜けなかったのは共産主義が妥協の思想でなく、純粋に政府転覆を目指す革命の思想だったということだろう。KGB電文解読資料「VENONA」が戦後、明らかにした戦時中のソ連情報網がそれを裏付けている。(p228)