共産主義を問題にしなかった最大の原因

『『パル判決書』の真実』渡部昇一

 共産主義を問題にしなかった最大の原因は、当時のアメリカがその脅威を理解できなかったことだろう。シナ大陸が共産党に制圧されるまで、そのあたりのことがわからなかったのはアメリカの鈍感なところである。だから、日本が敗退すると、それまで全面的に助けてきた蔣介石政権をアメリカは見捨てた。アメリカから見れば、汚職が横行する腐敗政権だから「援助なんかするな」というわけだ。ところが、スターリン毛沢東に惜しげなく武器を渡した。毛沢東も蔣介石も自分たちの力では機関銃も何もつくれない。となれば、武器をもらったほうが勝つ。だから、共産党があっさり勝った。(p101)