日本は残虐なアメリカを映す鏡などではない

『韓国とメディアは恥ずかしげもなく嘘をつく』高山正之

 「日本人が残虐で残忍な民族であったことは明らかな事実だ」とヘレン・ミアーズは『アメリカの鏡・日本』の中でいう。
 何を根拠にそう言い切るのか。彼女はマッカーサーが「米軍のレイテ上陸前、日本軍は2000人のフィリピン人集落を襲って子供に至るまで虐殺した。米軍が急行したが間に合わなかった」と語った事例を挙げている。
 馬鹿をお言いでない。だいたいフィリピン人虐殺は米国の十八番ではないか。マッカーサーが上陸したレイテ島にしたって、その僅か40年前にマッカーサーの親爺アーサーが隣のサマール島といっしょに島民の皆殺しを指令したところだ。「ただし10歳以上に限る」と条件を付けたが、作戦終了後の報告書には「10歳以下は一人もいなかった」とある。米軍は赤ん坊も含め両方の島で10万人をみな殺しにした。
 息子ダグラスの時代も同じ。日本軍が上陸すると聞いて米軍は泡を食ってバターン半島、さらにはコレヒドール島にまで逃げ落ちていった。
 「私はバターン死の行進を歩まされた」と嘘の八百もついてきた米戦車隊員レスター・テニーが先日、鬼籍に入った。彼は自伝でこのバターン撤退の道々、「フィリピン人を見かけたらみな撃ち殺した。なぜなら我々には日本人とフィリピン人の区別がつかないからだ」「集落があると一軒ずつ戦車砲で破壊し、住んでいる者を皆殺しにしていった」と告白している。
 対して日本はマニラに進駐してもフィリピン人の家を接収せずに競馬場に宿営した。戦争末期、米軍との決戦が迫るとマニラのサント・トーマス大学に抑留していた米民間人など3500人を解放し、米軍に引き渡した。
 米軍はフィリピン人と日本軍だけになったマニラ市を無差別爆撃し、10万人を殺した。その後、マッカーサーはこの辺をすべて書き換えて「日本軍がマニラ市民を大虐殺した」と東京裁判で主張した。
 ヘレン・ミアーズはまともだと言われるけれど、不勉強すぎて大きな間違いを犯した。インディアンを殺しつくし、黒人奴隷を使って恥じない。そんな国を映す鏡が日本であろうはずもない。(P81)