英印軍の残虐行為

アメリカに問う大東亜戦争の責任』長谷川熙

 連合国の残虐行為は米、豪軍に限らない。元駐ミャンマー大使の山口洋一氏が書いた『ミャンマーの実像』(平成一一年勁草書房発行)にはこういう手記が紹介されている。

 「(筆者注 インドの)コヒマ・インパール間の街道沿いに設けられた基地を放棄して、ビルマ側山岳地帯への撤収に追い込まれた日本軍は、急迫する敵軍を前にして、歩行不能の傷病兵の担送にはとうてい手が回らず、やむを得ず木陰に担架を並べて、残してこざるを得ない事態に立ち至った。ところが、やがてここを占拠した英印軍を山から眺めると、彼らは担架に横たわる日本兵にさかんに水を降りかけている。厚さに苦しむ傷病兵に水を注いでくれるとはさすがに人道的な扱いをしてくれるものだと感心して見つめていると、いきなりこれに火が付けられ、すべての担架が猛火に包まれた。なんと彼らは傷病兵にガソリンをふりかけてこれを焼き払い、始末してしまったのである。
 日本軍が撤収した丘陵地の道には、点在する死体に混じって、傷つき、病み、飢えと渇きに呻吟する落伍兵が未だ死にきれずにうごめいていた。しかし、これを追撃する英印軍は生存者を収容するどころか、ブルドーザーで死体もろとも、塵芥を処理するが如く、片付けてしまった。
 これが残虐行為でないのであろうか。
 これが戦争犯罪と言えないのであろうか」(p141)