黒人音楽が生んだロック、ポップス

『ブラック・ミュージック入門』泉山真奈美 河地依子 高見展 ロック・クラシック研究会 編

 高見 そのなかで、黒人から生まれたロックンロールは、白人音楽の流れに入っていった。黒人の間での流行としてはすぐに終わって、次の段階に行ってるんだけど、後から乗っかったイギリスの白人なんかが、学習的にしつこく追究したんだよね。

 泉山 イギリスの白人は、わざわざ誰も知らないようなシングルB面曲をカヴァーしたりしてて、憧れプラス、「僕はこういう渋い曲を知ってるんだよ」っていうマニアックな意識が感じられてならない。

 河地 白人でもアメリカとイギリスで根本的に違うのは、アメリカの白人は黒人を差別してたから「ブラック・ミュージックに手を出したくない」という意識があったことかな。

 泉山 そのへんは、ひと言で言い表せない複雑な感情だよね。だからむしろアメリカ国内よりも、イギリスの白人のほうがR&Bをよく知ってるし、古いものを財産として受け入れていると思う。ポール・ヤングあたりは、「どんなに自分たちがそれをやっても、まねでしかない、彼ら(黒人)にはなれない」って発言をしてるけど。(p09)