宋美齢の米議会演説

 米中関係と宋美齢
――日中戦争時期の対中支援要請活動をめぐって――

                    石川照子

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 日中戦争時期におけるアメリカの対中支援は多岐にわたり、その内容と意義については、既に多くの研究がなされている。宋美齢も蔣介石の夫人として、数度にわたり渡米して対中支援実現のための活動を行っている。その中でも白眉は、1943年2月18日のアメリカ議会における演説であろう。こうした滞米中の宋美齢の姿は、当時頻繁にアメリカの新聞や雑誌等に取り上げられている。
 一般にはこのような宋美齢の活動は、アメリカ人に対する中国のイメージアップに貢献した "夫人外交" として位置づけらている。しかし、それが具体的にアメリカにおいてどのような対中国イメージを作り出したのかは、今一つ明らかではない。また、当時の史料からは、単にイメージ作りに留まらない宋美齢の行動が浮かび上がってくる。すなわちローズヴェルト大統領との数回にわたる会談や、滞米中もそのローズヴェルトとの交渉内容等について蔣介石と密接に連絡を取り合っていた様子をうかがうことができる。