米国が蔣介石を使嗾していた

ウクライナ紛争 歴史は繰り返す』馬渕睦夫

 ちなみに、蘆溝橋事件中国共産党が、第二次上海事変はドイツ軍事顧問団の支援を受けた蔣介石が仕掛けたものです。わが国は居留民保護のためにも増派しましたが、南京攻略の前に蔣介石に対し和平を提案したのです。首都南京攻防戦は無意味であるとして、首都での戦闘を避けるのが目的でした。これが、ドイツに和平斡旋を依頼したいわゆる「トラウトマン和平工作」です。
 駐中国ドイツ大使のオスカー・トラウトマンは日本側の和平条件を蔣介石に通告しましたが、蔣介石はこれを拒否します。ドイツが仲介役を引き受けたのは日本の和平条件が妥当なものであると判断したからでした。蔣介石が日本提案を拒否したのは、折から開催予定であった九ヵ国条約ブリュッセル会議に期待していたこともあるでしょうが、蔣介石にあくまで日本に戦うように仕向けたのはアメリカでした。
 後に、 "マッカーシー赤狩り旋風" で名を馳せたアメリカ上院議員のジョセフ・マッカーシーは、蔣介石に日本とあくまで戦いを続けるよう使嗾したのはアメリカだったと述懐しています(『共産中国はアメリカがつくった』成甲書房)。(p153)