千年王国論

千年王国を夢みた革命 17世紀英米ピューリタン』岩井淳

 千年王国論とは、『聖書』の「ダニエル書」や「ヨハネの黙示録」を典拠にして、近い将来にキリストが再臨し、地上で「キリストの王国」が実現されると考える教義である。
 千年王国論は、原始キリスト教の教義であったが、中世を通じての長い異端的伝統をもち、一七世紀イギリスにおいて有力な教えとして復活した。この復活に寄与したのが、トマス・ブライトマンやジョゼフ・ミードといった神学者たちであった。(p09)


 千年王国論は、第一章で見たように、聖書の時代に起源をもつ思想であった。それは、中世において異端視されていたが、一七世紀イギリスにおいてよみがえり、ピューリタンたちによって広範に受け入れられた。しかし留意すべきは、一七世紀の千年王国論が、古代の思想そのものの復活ではなくて、カトリックや国王派を「反キリスト」とするなど新しい特徴を備えていた点であろう。
 この千年王国論は、第三、第四、第五章で示したように、ピューリタン革命において積極的な役割を果たした。(p206)